ECOWOODとは6000万年前よりオーストラリア大陸に生き続けてきた生命力あふれるユーカリの木です。
850種類もあるユーカリの中で当社が使用する最も強度が高い最高品質クラス(※注1)のユーカリ材は外で使用するにあたっても腐りにくく、そのまま50~100年保つ環境に優しい自然素材です。
※注1
ASF27のアイアンバーク、スポッテッドガムを指します。
ASとは「オーストラリアン・スタンダード」といい、オーストラリアの工業規格です。
https://www.jetro.go.jp/world/qa/04G-131001.html
木材用として使われるユーカリは大きいものでは高さが30m以上。
幹の直径も1.5~2mにもなります。
オーストラリアでは、200年前から主要な建材として住民の生活を支えてきました。
政府の厳しい管理のもと80~120年成長した木が伐採されます。
ユーカリの伐採には私有林も含め、オーストラリア州政府の許可が必要です。
当社取引先には、100年以上の歴史を持つ由緒ある製材業者もあります。立ち枯れしたユーカリの大木ですらも樹齢70年は経っています。
つまりユーカリECOWOODは貴方のお手元にお届けした段階で、すでに100歳だったりするのです。
炎、水(淡水、塩水)、土中でも耐久性に優れ、強度は通常の木材の2~3倍。
オーストラリアでは自動車や鉄道の橋、枕木、海岸沿いの木道などに利用されています。
ユーカリ材は高い密度で水を含みにくいため、耐滑り性、耐腐朽性に優れ水辺の景観づくりに最適です。
薬品による防腐処理なども一切不必要なので、安心・安全です。
1900年初頭のハービー・ベイの桟橋(オーストラリア)100年経過した今では釣り場として愛されています。
2008年12月にユーカリ木製品に使用している木材のせん断・曲げ強度試験を公的機関である静岡県工業技術研究所で行いました。
実験の様子(動画)と成績書をご覧いただけます。
成績書は静岡県工業技術研究所の試験での成績書最大破壊荷重が最高値4050N(曲げ試験)、最高値18.70kN(せん断試験)と一般の木材よりも、はるかに高い数値が出ています。
試験片は20mm×20mm×450mm。
成績書より当組合が輸入・製造している高品質のオーストラリア産ユーカリ材は20mmの角材に対して、1点荷重300kg以上を加えるまでは破損しないことが再度証明されました。
これは、一般の木材では考えられない強さです。
金属と同等、またはそれ以上の強度があることがわかりました。
せん断の試験片は□3cm程度の木コマに欠き込みをつけたものを用意します。
成績書より当組合が輸入・製造している高品質のオーストラリア産ユーカリ材は30mmの角材に対して、2000kg近い力を加えるまでは破損しないことが証明されました。
これは、たった3cmの木片を破壊するのに「2tトラックが必要」というイメージです。一般の木材では考えられない強さです。
2020年2月 静岡県工業技術研究所にて行った試験の様子です。ハンマーの落下により試験体を衝撃は歌詞、その残余のエネルギーで反対側に振り上げるハンマーの角度を指示させ、その角度により破壊に要したエネルギーを求める。
容量:10kg-m/試験体:20×20×300mm/用途:木材の衝撃試験
試験体に高速で衝撃を与え破壊するために要したエネルギーを測定する試験です。破壊に要したエネルギーをシャルピー衝撃値といい、数値が大きいほど試験片体が衝撃に強いことを示します。
衝撃に対して大きな耐性のあるユーカリ木製品の活用としては、道路沿い、車両出入りの激しい商業施設や駐車場などの車の衝撃を防ぐガードレールやボラード(侵入防止柵)x交差点、幹線道路沿いの車の飛び込みを防ぐ家まわりの木塀、通学路や水路、側溝などの安全柵、転落防止柵、飛来物の落下から防護するための四阿(シェルター)などが考えられる。
ガードレール美和野(20年経過)、与一 水路の転落防止柵 兼 ガードレール、ボラード、家まわり木塀、用水路など
ユーカリ材のアンモニア消臭試験の結果を示す。サンプルに用いたユーカリ材は、ブランク試験で得られたアンモニア濃度960ppmを30ppmに低減すると考えられ、除去率は約97%と言えます。
図にユーカリ材のアンモニア消臭試験の結果を示す。
サンプルに用いたユーカリ材は、ブランク試験で得られたアンモニア濃度960ppmを30ppmに低減すると考えられ、除去率は約97%といえる。
近年、熱帯雨林を中心とする森林破壊は熱帯雨林が広がるアジア、アフリカ、ラテンアメリカで深刻な問題となっています。
荒廃してしまった森林を自然の力で元通りにするには、熱帯雨林が400~500年かかるといわれています。純木ユーカリECOWOODはオーストラリアクイーンズランド州政府による厳しい森林管理のもと計画植林・伐採した木材です。
ECOWOODはオーストラリア国内で難燃材に認定されている種類のユーカリ材です。
800度のタバコの火やライターでは燃えません。数千度以上にもなる激しいブッシュファイヤー(森林火災)により新芽を吹き出し、次の世代へつないでいく、ユーカリは火と共に生きる生態を持っています。
木は表面炭化で火を断つので、内部へ火がまわる炭化速度は1分間に0.6~0.8mm程度。5~6分熱が加わると急激に強度が低下する鉄やアルミニウムと比べて、木材は30分間でも24mm程度の炭化ですむというわけです。
オーストラリアは暑く乾燥した気候のため、国土の大部分が山火事の影響を受けやすい土地です。
そのため、家を改築または新築する際、オーストラリアの建築基準法では、山火事攻撃レベル (BAL) の評価が重要とされます。これは、その場所で山火事が発生するリスクに基づく評価です。
※山火事攻撃レベルBALについて https://www.bushfireprone.com.au/what-is-a-bal/
【BAL低】特定の建築要件を保証する必要がないリスクしかない状態
【BAL12.5】火の粉攻撃(BAL12.5=12.5kW/㎡が建築要件)
【BAL19】増加する熱波と一緒に押し寄せる火の粉の襲来や風上からの火の粉で発火したデブリ(破片など)が増大するレベル(BAL19=kW/㎡が建築要件)
【BAL29】増加する熱波と一緒に押し寄せる火の粉の襲来や風上からの火の粉で発火したデブリ(破片など)が増大するレベル(BAL29=29kW/㎡が建築要件)
【BAL40】増加する熱波と一緒に押し寄せる火の粉の襲来や風上からの火の粉で発火したデブリ(破片など)が増大するレベルで、さらに炎にさらされる可能性が高い(BAL40=40kW/㎡が建築要件)
【BALFZ】熱波と一緒に押し寄せる火の粉の襲来に加えて、火事の炎に直接曝される(BALFZ建築要件)
当社ユーカリ製品は、AS3959(オーストラリア・スタンダード)で、BAL29の認定を受けています。
※詳細につきましてはお問い合わせください。
Photo by Mayu Kataoka:FOREST MINDS
地球温暖化や酸性雨による被害の引き金になっている二酸化炭素(CO2)。
木は葉っぱから炭酸ガスを吸い体内に封じ込めます。伐採されて木材と利用されても、炭酸ガスを蓄え続けます。
吸収率は木の比重に比例するため比重の高いユーカリは特にその効果が高いと言えます。またユーカリのようにライフサイクルが長い木製品を使うことは、地球温暖化や酸性雨にブレーキをかけることができます。
コンクリートやアルミなどの素材は目に悪い紫外線に反射させますが、木材はほとんど吸収します。黄褐色から赤褐色のユーカリ材は紫外線吸収による経年変化でシルバーグレーに変色します。木材は私たちの目を守ってくれる安全な素材といえるでしょう。
木の香りは殺菌や防虫というフィトンチッドの効果があります。
特にユーカリの香りにはブドウ状球菌・流感ウィルスの抗菌・殺菌、創傷治癒、呼吸器系の治療、防蚊、糞尿臭の軽減効果があることが知られています。
植物名 | 作用の内容 |
---|---|
ユーカリ | 抗菌(ブドウ状球菌・流感ウィルス)・創傷治癒・呼吸器系の治癒・防虫(蚊など) |
カシ | 循環器系の治癒 |
ヒバ・イチョウ | 防虫(蚊など)・高血圧の治癒 |
ポプラ | 痔の治癒・抗菌(流感ウィルス) |
マツ・スギ・ツツジ | 抗菌(ジフテリア菌・黄色ブドウ状菌) |
モミ・ササ・シラカバ オレンジ ・カシ |
抗菌(黄色ブドウ状菌・百日咳・防腐効果カゼ・バクテリア)・防腐効果 |
※(財)日本住宅・木材技術センター資料より
木材は使う場所、目的によって、種類、樹齢、採れた場所、製材方法、乾燥方法、さらには材質性能、色、加工方法等々を考慮した「使い分け」が必要です。
これを無視すると、「腐りやすい」「燃えやすい」「滑りやすい」「長持ちしない」「弱い」といった木の悪いイメージにつながります。
純木ユーカリECOWOODは、オーストラリア基準の厳しいグレード付けをもとに、ベテランの家具職人が設置場所、条件から「目的に応じた部材選び」を行っています。
どの木材も、その木に適した使い方がされていなければ長持ちしません。
「適材適所」は天然木にとっては、とても大切なことなのです。